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ピアノが上手にならない

ピアノを続けていると、弾ける箇所や、すでに知っている曲を弾く時間が増えることがあります。慣れたところを弾くのは楽しい一方で、そこだけを繰り返していても、難しい部分が自然に弾けるようになるとは限りません。弾ける場所を楽しむことと、できない場所に取り組むこと。その両方を続けるための練習の組み立て方を考えます。

目次

弾けるところを弾く時間にも意味がある

弾ける曲や、指が動く箇所を弾くのは、練習の無駄ではありません。音楽を楽しむ時間になり、今できることを確かめる機会にもなります。練習を続けるうえで、好きな曲に触れることが支えになる場合もあるでしょう。

ただし、弾ける部分だけで練習を終えると、まだ止まってしまう箇所はそのまま残ります。「何度も弾いたから全体が上達したはず」と考えるのではなく、どこが弾けて、どこでつまずくのかを分けて見ることが大切です。楽しむ時間をなくす必要はありません。練習の中に、課題に向き合う時間も少し加えてみます。

まず「できない」を小さく切り分ける

曲全体を通して弾き、何度も同じところで止まると、課題が大きく感じられます。そんなときは、止まった位置を目印にして、前後の短い範囲だけを取り出します。たとえば、数拍や一小節など、無理なく集中できる長さから始めます。

次に、何が難しいのかを一つずつ見ます。音の並びを覚えていないのか、指づかいで迷うのか、左右の手を合わせにくいのか。原因を決めつけず、弾いてみて気づいたことを確かめます。課題が小さくなれば、「曲が弾けない」という漠然とした状態から、「この部分の音を確認する」といった具体的な作業に変えられます。

集中するために、練習の順番を決める

練習を始める前に、今日はどこを扱うかを一つ決めておくと、弾きやすい箇所だけを続けてしまう流れを変えやすくなります。たとえば、最初に課題の小節をゆっくり確認し、そのあと弾ける曲を楽しむ、という順番です。難しい部分に取り組む時間を短く設定する方法もあります。

ここで目指すのは、長時間の練習ではなく、決めた範囲に注意を向けることです。音や指の動きを確かめながら、無理のない速さで弾きます。何度か試しても変化が分からなければ、いったん楽譜を見直したり、範囲をさらに短くしたりして構いません。集中できない日には、練習量を調整する選択肢もあります。

「通して弾けた」以外の進歩も見つける

難しいところに向き合うと、すぐに曲全体を止まらず弾けるとは限りません。それでも、以前より音を確認しやすくなった、指づかいを迷う回数が減った、短い範囲なら落ち着いて弾けた、といった変化が見えることがあります。

練習の終わりに、今日取り組んだ場所と、気づいたことを一言だけ残してみましょう。「右手の音を確認」「二小節をゆっくり」など、簡単な記録で十分です。次に弾くとき、どこから始めればよいかが分かり、同じ迷いを繰り返しにくくなります。進歩がすぐ見えないときも、記録は練習の内容を振り返る手がかりになります。

楽しむ時間と、向き合う時間を両方つくる

弾けるところを弾くことと、できないところを練習することは、どちらか一方を選ぶものではありません。前者はピアノを楽しむ時間として残しながら、後者には小さくても集中できる枠をつくれます。

たとえば、練習の前半に課題を一つだけ扱い、最後に好きな曲を弾く方法があります。反対に、まず弾ける曲で手を動かしてから、決めた小節に取り組む形もあります。どちらが合うかは人それぞれです。大事なのは、練習を始める前に「今日はここを見てみる」と決め、弾きやすい部分だけで終わらない工夫をすること。小さな範囲に目を向けることが、次の一歩になります。

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