病院の待合室には、いろいろな人がいました。
何かを必死にメモしている人。
静かに本を読んでいる人。
岩波文庫を読んでいる人もいました。
僕は薬の影響で眠くて、待合室の椅子でぼんやりしながら、そんな人たちを見ていました。
「何をそんなに一生懸命メモしているんだろう」
「この人は、何を考えながら本を読んでいるんだろう」
周りにいる人たちにも、それぞれここに来るまでの人生があって、それぞれ何かを抱えて、この待合室にいる。
当時の僕には、そこまで考える余裕はなかったのかもしれません。
ただ、自分と同じようにこの病院に通っている人たちの姿は、不思議と記憶に残っています。
そして僕も、その中の一人でした。

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