毎週、薬を飲んで病院に通っていました。
電車の中では、窓の外の風景をぼんやりと眺めていました。
周りには、会社員や学生、楽しそうに話しているカップルがいました。
みんな普通に電車に乗って、それぞれの場所へ向かっている。
そんな姿を見ながら、僕はいつも思っていました。
「なんで僕だけ、こんなに怖くなっちゃったんだろう」
電車に乗る。
たったそれだけのことが、当時の僕にはとても怖いことでした。
周りの人たちが当たり前にできていることが、自分にはできない。
社会は普通に動き続けているのに、自分だけがそこから取り残されてしまったような感覚がありました。
そんな気持ちを抱えながら電車に乗って病院へ通う時期が、3年ほど続きました。
病院に着く頃には、薬の影響で強い眠気がありました。
待合室の椅子に座ると、そのまま眠ってしまう。
名前を呼ばれても気づかず、何度も呼ばれて、ようやく目を覚まして診察室へ向かう。
そんな日々でした。
今振り返ると、あの頃の僕は何か大きなことを頑張っていたわけではありません。
ただ薬を飲んで、電車に乗って、病院へ行く。
それだけでした。
でも、当時の僕にとっては、その「病院へ行く」という行動そのものが、社会とのつながりを完全に失わないための一本の細い糸だったのかもしれません。

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